【MFA健康コラムVol.66】ネガティブを掘り下げる その1
自分自身を肯定し、ネガティブを前向きに捉えている方はどれほどいるだろうか。
今回の記事を通して、ネガティブを脳科学の分野などから掘り下げ、ネガティブに対しての捉え方や考え方を改めるキッカケとなれば幸いである。
【脳に与えるネガティブ習慣】
人間の脳は「知りたい」という好奇心を持つことを出発点として、情報の伝達経路を形成していく。
「知りたい」という本能は、思考や記憶に大きく関わるわけであるが、何に対しても好奇心が希薄であると、脳は自然と働きが悪くなっていく。思考する仕組みが機能しなくなり、神経回路も十分に使われないので、脳が衰えていくことになるのだ。だから脳にとっては、「興味を抱くこと」が全ての始まりとなるわけだ。
何事にもネガティブに反応する、イコール、無反応になるのではなく、「関心がない」とすぐに決めつけることをやめ、まずは好奇心を持つことが脳にとって大切になってくる。
また、脳に取り込まれた情報は、A10神経群という、危機感を司る「扁桃核」、好き嫌いを司る「側坐核」、言語や表情を司る「尾状核」、意欲や自律神経を司る「視床下部」などが集まった部分に到達し、そこで感情のレッテルが貼られる。A10神経群はいわば感情を司る中枢というわけだ。
その時の「好き・嫌い」「危険だ」「感動した」「面白そう・つまらなさそう」という感情の種類によって、理解力、思考力、記憶力にマイナスの感情のレッテルが貼られると、そのまま脳のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことになってしまう。
誰しも勉強でも仕事でも、苦手意識を抱いたり嫌だなと思うと、効率が悪くなるものである。「嫌い」「苦手」と思うことが多いとしても、「面白そう」「楽しそう」と思えるような工夫をし、新しい脳への刺激を楽しむことが、理解力や思考力、記憶力を高め、パフォーマンスをアップする鍵となってくるのである。
【周囲の環境と口癖】
自分が発した言葉は相手に伝わるが、自分の耳を通して自分の脳にも刺激を与える。
前述した、脳へ入った情報の感情のレッテルも大切であるが、何気なく普段から使っている言葉にも意識を向けてみたい。その言葉がネガティブであればあるほど、脳は更に機能しなくなっていく。
また、周囲の人の何気ないネガティブな言葉を聞くということであっても、自分の脳に影響を与える。
自分であっても他人であっても、愚痴はガス抜きになるかもしれないが、長時間や長期間継続して話したり聞いたりすると、脳の機能は低下してしまうのである。
周囲の人の言葉だけでなく、その人自身が「嫌い」と思考することの影響も、脳は受けてしまう。
誰しも「苦手」や「好き」という感情を他人に抱くことはあるだろう。例え嫌いや苦手というネガティブな感情であったとしても、それに至る経緯は過去の出来事が原因であったりするかもしれない。
苦手な相手をどうしても受け入れることが出来ない場合は、情報として視界に入れない、コミュニケーションをとらないという状況を作ることが可能なのであれば、そのように対処することも1つの方法なのかもしれない。
もしその人と関わるとなれば、その人の「良いところ」を探す努力をしてみることも、自身の脳を健全に保つ意味において、必要な行いとなってくるかもしれない。
次回は、ネガティブの捉え方について、お伝えする。
参考書籍
図解 脳に悪い12の習慣 林 成之
無(MU) 鈴木 祐