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【MFA健康コラムVol.51】呼吸から介入する運動習慣 その1

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MFAオフィシャル健康コラム

【MFA健康コラムVol.51】呼吸から介入する運動習慣 その1

昨年に比べて年末年始を故郷や親族と過ごした方も多いのではないだろうか。

人が集えば食もお酒も進み、この2週間ほどで体重の増加や体調不良になっている方も少なくないだろう。

そんな方にとっても、年のはじめに「運動を習慣化させていこう」と意気込んでいる方にとっても、今回の記事が参考になれば幸いである。

 

 

 

【運動をする「その人」に着目する】

 

前々回の投稿で、運動についての世界的基準のお話をした。

内容は以下をご確認いただきたい。(【どのくらいの身体活動量が必要なのか?】

 

これらを踏まえた上で、大事なポイントとして押さえておきたいことがある。

それは、運動を行うのは「誰」か?ということだ。

 

運動を行う以前に、「その人」の身体機能は正常か?  まずそこに着目したい。

 

様々な視点があるが、前回に引き続き「呼吸」を掘り下げようと思う。

呼吸の浅い方と深い方、呼吸量(【呼吸チェック】参照)の違いによっても、運動の効果は異なってくるだろう。

運動実施の際に呼吸の知識も取り入れていただき、前述したWHOの基準(中強度の運動を週に150分、または高強度の運動を75分実施)に沿った範囲内の運動を目指してみてはいかがだろうか。

 

 

 

【まずは呼吸の役割を整理しよう】

 

「呼吸」の最も大きな役割は、脳と身体に酸素を供給することである。

呼吸機能が低下して脳に供給する酸素の量が減ると、脳は疲弊して様々な変化に対応することができなくなる。思考や運動時にパフォーマンスが上がらないだけでなく、筋肉の緊張を繊細に調整して物理的な負荷や精神的なストレスに対応するということが、できなくなってしまうのである。

脳が酸素不足になって疲弊してしまうと、心身の緊張を緩めることができなくなり、光や音などの刺激に対して過敏に反応したり、感情のコントロールができなくなる。さらに運動機能、免疫、消化機能も低下し、人間の持つほぼ全ての能力が低下すると言っても差し支えないものになってしまうのである。

最後に深呼吸したのはいつ?これからの時代に備えたい3つの呼吸 ...

 

つまり、どんなに良い栄養を摂って良い生活習慣を保ち、素晴らしいエクササイズや筋肉トレーニング、ストレッチを行っていても、呼吸が乱れその結果として脳の機能が低下した状態のままでは、身体に好ましい変化が起こらない可能性も高くなってしまう。

 

適切な呼吸をすることで脳の機能を高めることができ、心身の緊張と緩和のバランスが改善され、体得したい変化を実感しやすい身体となるかもしれないのである。

 

 

 

【深呼吸は体に良い?】

 

一般的に、呼吸は「新鮮な空気をできるだけ大量に体の中に取り入れることが良い」と考えがちである。前回の呼吸チェックで「息を吸いたい」と感じるまでの時間が短かった人は特に、できるだけ深く息を吸おうと考えるのではないだろうか。

例えば、「深呼吸は体に良い」という考え方はその表れの一つとなっている。「大きく口を開いて深呼吸し、できる限りたくさん新鮮な空気を体に取り入れること」が良いことだと考えている方は多いだろう。

 

しかし、たいていの人は知らないうちに「適切な量よりも2〜3倍は多く呼吸をしている」と言われている。つまりほとんどの人が「呼吸過多」にあるというのだ。酸素の吸い過ぎが、逆に酸素不足を引き起こすのだ。

これが最終的に体だけでなく、心にまで影響を与えることになる。

 

大量に吸われた酸素を体中に行き渡らせる。

確かに酸素は生命維持に必要なものではあるが、しかしながら何事もバランスが大切なのだ。

 

 

ここまで、身体にとっての呼吸、酸素の役割を述べた。

次回は、「呼吸過多」のキーとなる二酸化炭素の量と、ウォーキング時の呼吸エクササイズの方法について述べたいと思う。

 

 

 

参考

WHO 「身体活動に関する世界行動計画2018-2030」

「新しい呼吸の教科書」 森本 貴義 / 近藤 拓人

 

 

 

【Vol.43】「食べ過ぎない」ということ その1

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【Vol.45】第2弾「食べ過ぎない」ということ その1

【Vol.46】第2弾「食べ過ぎない」ということ その2 

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【Vol.48】脳とアイデア創出の関係 その2 

【Vol.49】運動の世界基準と今日からの取り組み その1

【Vol.50】運動の世界基準と今日からの取り組み その2

 

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