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【MFA健康コラムVol.64】ストレスに向き合ってみる その1

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MFAオフィシャル健康コラム

【MFA健康コラムVol.64】ストレスに向き合ってみる その1

巷では新型コロナウイルスによる第7波により、連日、数万人規模の陽性者が出たとニュースが流れている。

この流れを、ここ2年以上続けてきた訳であるが、それによって自身の体と心へのストレスはコロナ禍前と比べ、どのように変化しただろうか?

まずはコロナ禍によってもたらされた心身の変化を数値から把握し、そもそものストレスに対しての理解と対策を考えてみたい。

 

 

 

【運動不足とココロへの影響を数値でみてみる】

 

リモートワークが日常となっている人も多いだろう。運動不足は、心身に対してどう影響するのだろうか。

 

「1日あたりの歩数の減少」がデータとして報告されている。

アメリカ、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームは、2020年1月19日〜6月1日まで、約半年間にわたる、187カ国、約45万人分の歩数データを収集し、その変化を調べた。

研究の結果、調査した国の平均歩数は、WHOがパンデミックを宣言して10日以内に5.5%減り、30日以内に27.3%減少したことが分かった。

日本においては初めの緊急事態宣言が発令された4月16日〜5月25日において、最大で約30%歩数が減ったことが分かった。

その後も続く緊急事態宣言、そして蔓延防止措置、そして第7波。それに伴うテレワークの推進などが、人々の歩数も含めた日常レベルでの活動量を減少させていることは、ほとんどの方がイメージできるのではないだろうか。

働き方改革を実現! テレワーク導入時に、事業主がすべきこと|コラム #6

 

心については筑波大学が研究したデータを紹介する。

「新型コロナウイルス感染症に関わるメンタルヘルスに関するアンケート」を行い、「約8割の人が新型コロナに対するストレスを感じ、約半分の人は恐怖や不安感を感じている」「うつ・不安、PTSD症状はいずれも、従来の災害と同程度、またはそれ以上に高かった」ことを明らかにした。調査期間は2020年8月4日〜約2ヶ月間で、10〜60代までの男女7520人が対象であった。

 

新型コロナウイルス感染症に関わるメンタルヘルス全国調査 ...

出展:筑波大学(https://plaza.umin.ac.jp/~dp2012/covid19survey.html

 

さらに気になるのが、すでに「心の病気」の域に達している可能性のある人が少なくなかった点である。

「約60%の人がストレスを抱え、そのうち約20%は気分障害を伴っている可能性がある」「15%に全般性不安障害の疑いがある」「21%に PTSDの疑いがある」などの事実が浮き彫りになったのだ。

 

この記事をお読みの方はいかがだろうか?当たり前だった日常が奪われたことで、様々なストレス症状が出ている方も少なくないのではないだろうか。

少しフラットに「ストレス」についての理解と、その対策を考えてみたい。

 

 

 

【人によりストレスは違う ~ストレッサー~】

 

目の前に魔女がいるとしよう。

それを「怖くてストレスだ」と捉えるAさんと、「カワイイ」と捉えるBさんがいる。

 

このように、一見ストレスになり得るような人物が目の前にいたり、ストレスを受ける環境下においても、それをストレスと感じる人と感じない人がいるとした場合、ここでいう魔女自体は人によって「ストレスの原因」ではないということになる。

 

ストレスを捉えるには「間接的な原因」と「直接的な原因」を分けて考える必要がある。

先の話で出た魔女は間接的なストレスの原因に分類される。

この間接的な原因を「ストレッサー」と呼び、ストレッサーは更に2つに分類される。

一つは外部からの刺激がストレスの間接的な原因となる「外刺激由来のストレッサー」である。

そして、もう一つは「内刺激由来のストレッサー」である。内刺激由来のストレッサーとは、嫌な体験をしてストレス反応を示したのちに、そのことを思い返すことで再度ストレスを感じることをいう。

 

では、ストレスの直接的な原因とはどのようなものになるのか。

ストレッサーは我々に作用すると、それに伴って身体内、脳内で反応が起こる。このストレッサーによって導かれる脳内・身体内での変化を総称して「ストレスメディエータ」という。脳内、そして身体内の変化であるストレスメディエータが発露した状態を、本人が認識した状態が「ストレス」と言うのである。ストレス反応している状態と、それを認識している反応は、異なる脳の仕組みを使うことになる。

 

このあたりの話については、ストレスへの理解 その2で詳しく記載しているので、そちらも参考にしていただけると幸いである。

 

 

このコロナ禍は、ほとんどの方にとってはじめは外刺激由来のストレッサーであったはずだが、繰り返される制限や長期間のストレスにより、それを自身の中で思い出すことで内刺激由来のストレッサーが発動してしまっている可能性が考えられる。

 

外刺激由来のストレッサーについては、それらの情報を「見ない・聞かない」というような環境に自身を置くことが大切になる。

テレビから流れる情報、SNSからの情報など、自身が何気なく取り込んでいる情報に「良い意味で鈍感になる」ことで、自分にとってマイナスなことを遮断してみる。スマートフォンから距離をおくのも、その1つの方法である。

 

繰り返される内刺激由来のストレッサーについては、思い返してストレスを感じている状況から「別のことを考えて忘れる」というのは非常に難しい。

だから、散歩やランニングをする、またはボーリングやゴルフなどをして、外の空気を肌で感じ、季節の匂いを嗅ぎ、音を聴き、目に映る景色を眺めるなどして、身体を動かしながらコロナ禍に自身に降りかかったマイナスなことを忘れる時間帯を意識的に作ることも、1つの対処法である。

 

 

 

次回はストレス反応の恩恵について、話をすすめたいと思う。

【Vol.47】脳とアイデア創出の関係 その1

【Vol.48】脳とアイデア創出の関係 その2

【Vol.49】運動の世界基準と今日からの取り組み その1

【Vol.50】運動の世界基準と今日からの取り組み その2

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【Vol.57】目標達成のための思考法

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