【MFA健康コラムVol.74】取り込む情報にこだわってみる その1
新年になり、今年1年の目標や夢を自分の中で描いている人もいるだろう。
昨年までとは少し違う自分に成りたい。そう願う方もいるかもしれない。
今回の記事が、そんな方々にとってきっかけになれば幸いである。
肩肘張らずに、気楽に読み進めていただきたい。
【なかなか変われない】
そう思い、自分を蔑むことで自分自身をネガティブに捉えた経験は、誰しもあるのではないだろうか。
自分で立てた目標、成し遂げたいことが、道半ばで終わってしまったこと。
その度に、「自分は弱い人間だ。」とレッテルを自分に貼ってしまい、何も行動も変化もできなくなってしまったこと…。
では、それがただ単に自分が弱いからという理由ではなく、「普段から取り込む情報」の問題だとしたら、どう考えるだろうか。
以前の幸福について記した内容でも、周囲の環境が自分の幸福感にとって非常に大切であると述べている。
人間は生きているだけで様々な環境から情報を受けとるわけだが、もし、それらの情報がネガティブなものが多い場合、それらの情報を受け取った脳は、どんな思考をして、どんな性格が形成されるだろうか。
【自分の内側に目を向けてみる】
現代は情報が多く混在するが、様々な技術が発展し、私たち人類は多くの魅力的なそして刺激的なものを生み出してきた。
それらは私たち自身を楽しませ、新たな学びを与え、人類の進展にきっと役立っているはずだが、その強い魅力的な刺激物は、私たちを「自分」から「外側の世界」へと強く誘引してしまっている可能性がある。
特に携帯電話からの情報は刺激的で、閲覧しているものの好みなどを分析され、自分にとって都合良いリストをお勧めされたり、広告として表示されたりするのである。
知らない内に、自分ではない外の世界というものの1つである携帯画面を、気付けば1時間でも見続けることができる方も多いのではないだろうか。
では、それらの情報は、ネガティブなものとポジティブなもの、どちらが多いだろうか?
ニュースやワイドショーも必要な情報もあれば、ネガティブなものが番組のトップで扱われることが多いだろう。特集を組まれるものには、誰かと誰かの関係性について掘り下げた、決してハッピーではないものも多いだろう。もちろん、SNSでのやり取り1つとっても一緒のことである。
学びや幸せは自分の内側に蓄えられるはずなのに、それらのことに気付く自分がいなければ、内側の自分の反応に気付くことも出来なければ、幸せすら感じることができない。そうなると、魅力的で、そして刺激的な外側の世界にばかり囚われることに繋がる。更に、その外側の世界にあるネガティブな情報に多く反応してしまっているとしたら、どんな自分が形成されるだろうか。
Googleをはじめとする外側の世界に魅力的なものを生み出し続けている最先端の企業が、内側に注意を向けるマインドフルネスや瞑想を取り入れているのは、きっと現代の人類の注意対象のありよう、すなわち、内から外への強い誘いとも関係があるのかもしれず、自分の内側に注意を向ける大切さに気付いているのかもしれないのである。
参考書籍
田中 正敏「ストレスの脳科学 予防のヒントが見えてくる」,講談社
青砥 瑞人「HAPPY STRESS ストレスがあなたの脳を進化させる」,SBクリエイティブ