【MFA健康コラムVol.77】”習慣”について理解を深める その2
前回は習慣について、脳からみたお話をした。
今回は、良い習慣と悪い習慣について話をしたい。
【良い習慣と悪い習慣】
さて、皆さんの日常はどのような習慣によって構成されているだろうか?
起床時から就寝時までを考えていただきたい。また、その習慣の中で、「良い習慣」と「悪い習慣」にも分けてみて欲しい。運動習慣や、何気なくチョイスするランチのメニュー、嗜好品、考え方のクセ、夜ふかし、お菓子の摂取などなど。
良い習慣は健全な心身を構築する材料になることは、簡単にイメージできるであろう。
まずはじっくりと、時間をとって分析してみよう。
また、新たに取り込みたい習慣についてもぜひ、時間をとって考えていただきたい。
たった一つの新しい習慣を身につけることによって、自分自身の生活を向上させるための他の良い習慣が連鎖するように身についていくこともあるのだ。
そして、「この習慣は良くないな」という習慣を一つでも手放すことも、あわせて意識してみる。その不必要な習慣を手放すことによって、心のスペースや時間ができ、新たな習慣を始める余裕が生まれるかもしれない。
【ストレスと悪い習慣】
悪い習慣について、もう少し掘り下げてみようと思う。
現代はストレス社会と言われ、誰もがストレスを抱えているようにも見える。人生は計画通りに進むことなどなく、ストレスを感じずに世の中を渡っていくことは不可能であろう。
それでは、ストレスは習慣にどんな影響を与えるのだろうか?
UCLAとデューク大学で行われた実験では、人はストレスが増すと習慣的な行動に頼ろうとするという結果が出た。ストレスを抱えると、習慣化された行動をとることが良くも悪くも多くなるということである。
ウェンディ・ウッド教授は研究報告の中で、「人はストレスを抱えているとき、意志の力が弱っている時、あるいは重圧に押し潰されそうになっている時には簡単に決断を下せなくなる。疲れすぎて決断できない時には、いつもしていることをただ繰り返す傾向がある」と述べている。
少しだけ時間をとり、悪い習慣が原因のストレスで神経がまいるとどうなるかを想像して欲しい。
ストレスが悪い習慣の引き金となり、それが罪の意識と苦しみを引き起こし、そのためにストレスがさらに増し、再び悪い習慣を引き起こす。要するに、ストレスと悪い習慣が永遠に繰り返される負のサイクルの始まりである。
では、ストレスが溜まっている時に、そのストレスが自然と解消されるような良い習慣を持っていればどうなるだろうか?
例えば、運動でも良いだろう。この場合には、ストレスが自分の背中を押してスポーツジムへと向かわせ、運動によって緊張がほぐれる。おそらく体だけでなく心もリフレッシュできるはずである。
このように良い習慣か悪い習慣かで、自分の人生に与える影響は驚くほど大きく異なり、一方は人生の数々の困難に直面しても、自分を成功への正しい道へ導くが、もう一方は常に負のサイクルへと迷い込ませる可能性が高くなるのである。
もちろん上記のケースでは、習慣だけではなくストレスについても向き合う必要も出てくるであろう。そのストレスを分析すること、そして緩和させる策として良い習慣を持っていることは、非常にメリットが大きいこととなる。
何かを始めたい。変わりたい。その度に3日坊主で終わる。そして自分が嫌になる。
誰しも経験があるのではないだろうか?
今回の記事を通して習慣についての特性を理解し、次回は具体的な習慣化の方法についてお伝えしようと思う。
日常から出来る何気ないことから… お楽しみに。
参考書籍
三浦 将「自分を変える習慣力」,クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
イ・ミンギュ「『後回し』にしない技術『すぐやる人』になる20の方法」,文響社
スティーヴン・ガイズ「小さな習慣」,ダイヤモンド社