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【MFA健康コラムVol.109】比較がメンタルに与える影響 その2

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MFAオフィシャル健康コラム

【MFA健康コラムVol.109】比較がメンタルに与える影響 その2

前回は所属するグループやSNS内での、自分の立ち位置を比較することがメンタルに与える影響についてお話した。

今回は、そのメンタルを改善するためにできることについて、お話する。

 

 

 

【セロトニンレベル】

 

脳の中で作られる「セロトニン」は驚くべき物質で、メンタルの様々な仕組みに影響するため、その役割も複雑だ。その中で最も重要な仕事は、私たちが「どのくらい引き込もりたいのか」を調整することだろう。

セロトニンのレベルが低いとその人は自信を無くし、後退り、自分の殻に閉じこもってしまう。

これはうつによくある行動なので、一般的な抗うつ剤にはセロトニンのレベルを上げる効果がある。

 

 

グループの中での自分の居場所は、昔から人間にとって大切なものである。しかし、それを恐怖と感じてしまうそもそもの原因は、セロトニンのレベルが下がったことからきている。

現代において、SNSを通して”世界中が自分が所属するグループ”となってしまった今、その中での自分の位置が下がり続けることを感じる機会も多いだろう。

それにもかかわらず、携帯を持ち、眺める時間は脳にとってストレスになる反面、常習性のある仕組みとなっているため、辞めたくても辞められないという人も多いはずだ。

 

 

 

【やはり運動は万能薬】

 

これらのメンタルの不調、そしてセロトニンレベルの改善を考えても、やはり運動は万能だ。

メンタルの不調の原因は数多くあるだろうが、その原因に関わらず出来ることは運動をすること。運動は体を強くするだけでなく、脳をストレスから守る力も強めてくれるのだ。運動をすることで体が「ストレスに過剰に反応しなくても大丈夫」と学ぶのである。それがどんな種類のストレスかは関係ない。

 

WHOが推奨する毎日1時間以上の運動をしている人はどれくらいいるだろうか?その反面、携帯を触っている時間は、1日何時間あるだろうか?

圧倒的に後者の携帯の時間の方が長くなっている現代の人にとっては、携帯を触る時間をコントロールすることも大切かもしれないが、やはり、運動は不可欠となるだろう。

 

どんな運動を、どの程度行えば良いのか?そんな疑問もあるかもしれないが、まずは、通勤のエスカレーターを階段に変える、1駅分歩いてみる、歯磨きをしながらスクワットを数回やってみる。というように、「とにかく小さく始める」ことを意識していただきたい。

それが習慣化してきた暁には、ウォーキングで5000歩歩いてみたり、心拍数をある程度上げるランニングをしてみたり、ウエイトトレーニングを実施してみたりと、負荷をかけていくのも良いかもしれない。

 

トレーニング:有酸素運動とは | 健康長寿ネット

 

時代はどんどん変化しているのに、人間は特に大きく進化していない。それが太古から現代への生存戦略のミスマッチとなり、現代の心身の不調を招くキッカケとなっていることは間違いない。

大切なのは、それらを理解して”どう生きていく”のか。

この記事が皆様の心身の不調改善、そしてキッカケになれば幸いである。

 

 

 

参考文献

アンディシュ・ハンセン「メンタル脳」新潮社,2024

一般社団法人メディカルフィットネス協会「ウォーキングトレーナー養成講習会テキスト」2024


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