【MFA健康コラムVol.93】体調の整え方2 その2
【やっぱり腸は大切】
腸は体内にあるが、消化管は口から始まり、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門まで一つの管でつながる食べ物の通り道であり、消化管は外界に接しているとも言える。
つまり、腸は病原体やウイルスなどを体内に侵入させてしまう危険に常に晒されているのである。
その危険に立ち向かうべく仕組み化されているのが「免疫系」と言う自己防衛システムだ。
目に見えない細菌やウイルスが体内に入ってこないように、免疫細胞がたえずに見張っているのである。
実は、腸には体内の免疫細胞の約7割が集中している。
この免疫細胞は腸だけに留まらず、血液に乗って全身へ移動し、体中の至るところで活躍してくれるのだ。
腸の状態が、そのまま体調管理に繋がる理由が想像できるであろう。
その人によって腸の状態も違えば、取り組むことも変わってくる。
例えば万人に効能がある訳ではないが、腸内細菌が喜ぶ食事(発酵食品や食物繊維など)を摂取することや、腸内の活動を抑える時間(空腹時間)を確保することなどは、比較的簡単に実施できることではないだろうか。
【自然を感じるステップ3】
普段から”自然”の情報を取り込むことはあるだろうか?
最新の科学からみれば、「自然を大事に」と言うフレーズは、古くさい説教などではなく、人間の遺伝と環境のミスマッチが起きている現代においては、「自然」への投資が自分の体調を整える意味でも費用対効果の高い行為となるのである。
急に、森の生活がスタートできるわけでもないので、段階的に実施してみよう。
まずは、「自然音」や「自然画像」を生活に取り込むことである。
移動中の車内や寝る前に音源から自然音が流れるように設定してみたり、携帯の待ち受け画像などを自然の画像に変更してみたり。いずれも副交感神経が活性化しリラクゼーションの効果があったと研究がされている。
次のステップは実際に観葉植物を育ててみること。
観葉植物を生活に取り込むことによっても、ストレスが緩和したという報告がある。
またさらに、オフィスワーカーを対象にした研究では、観葉植物を前に作業した被験者は幸福度が47%アップし、作業効率も38%も上がったのである。
自分が”良い”と思った観葉植物をお気に入りとして大切に育てることも、体調管理の上では大切なのかもしれない。
最終的には実際に自然と触れ合う時間を確保してみよう。
まずは「週に1回でも30分は公園に行く」というところからスタートさせて、少しずつ接触時間を増やしていくのも良いだろう。
ひとえに体調を整えるにしても、”誰”が、”どのようにして”整えていくのかが大切である。
自分の状態を普段からモニターして、小さなトライを続けていくと、安定的に体調を整えていくことが可能になるかもしれない。
自身の為に、まずは小さく、少しずつ、この秋にスタートさせてみてはいかがだろうか。
参考文献
鈴木 佑,「最高の体調」,クロスメディア・パブリッシング,2018
小林 弘幸,「自律神経のなかで最も大切な迷走神経の整え方」,フォレスト出版,2023
【vol.83】ウォーキングを指導する上でのポイント その1