【MFA健康コラムVol.54】「冷え」に関する知見を広げる その2
温かくなるのが待ち遠しくなるくらい、今年の冬は寒い日が多いと感じている。皆さんはいかがだろうか?
特に「冷え」を感じる、という人にとっては、辛い季節であるだろう。
今回は冷えのチェックや分類について話をする。分類ごとの対処法を活用いただき、少しでも改善に繋がることを願う。
【自分の「冷え」を自覚してみる】
感覚として、「手先が冷たい」「皮膚が冷たい」という「冷たさ」や「冷え」という感覚がある人もいる中、実は「冷え」はその「冷えている感覚」以外の身体症状として体に現れることも多くある。
「冷え」を自覚する意味でも、次の項目を参考にして、自分で判断するチェックとしてみてはいかがだろうか。
*人の体は実に複雑である。チェックリストはあくまで参考であり、その症状=冷え、が確実にイコールにならないことをご理解いただきたい。
□手足が常に冷えていて、なかなか温まらない。
□時折り頭痛がする。
□顔色が悪い。
□冷房が苦手だ。
□目の下にクマができる。
□ちょっと運動すると息切れがする。
□夜、熟睡できない。
□夜中トイレで目を覚ます。
□低血圧である。
□体温が低い(36度以下)
□肩こりがひどい。
□腰痛がある。
□膝痛がある。
□下痢もしくは下痢気味である。
□便秘もしくは便秘気味である。
□疲れやすく、寝ても疲れが取れない。
□イライラしやすい。
□やる気が起きず集中力がない。
□貧血もしくは貧血気味である。
□夏でも汗をかかない。
□朝起きるのが辛い。
以下は女性のみ
□生理痛がひどい。
□月経前に不快な症状(PMS)が出る。
ひとつでもチェックがついた場合は、身体が冷えている可能性がある。
冷えを改善するには、まずは「冷え」を自覚することから。自身のからだの声に耳を傾けながらチェックしてみて欲しい。
【冷えの種類4パターン】
普段から「冷え」を自覚する人も、東洋医学的に4つのパターンに分類ができる。
「冷えのぼせ」
頑張り屋さんが陥りやすい交感神経優位の冷えパターン。脳に血液が滞り、末端の血液循環が低下している。
このパターンが「冷え」を自覚している多くの方を占めているだろう。
解決の糸口は、頭に血液を集中させないこと。適度な運動を心がけ、全身に血液を巡らせる必要がある。
「末端冷え性」
胃腸が丈夫でなく、貧血気味の人によくある冷え。
この原因は主に栄養不足。栄養状態の良い血液は、生命維持のために脳や消化器官などの体幹部、心臓に優先的に送られる。
結果、手足にあまり栄養状態の良くない血液が回ってしまって、末端が冷えてくるわけである。
バランスの良い食事を心がける必要がある。
「背中が冷えてゾクゾクする」
ストレスで呼吸が浅くなっている時や、風邪の引き始めに感じることが多い。背中の褐色脂肪細胞がある肩甲骨周りの代謝が低くなっている現象である。
原因がデスクワークや運動不足などであれば、バンザイ動作をしたり、適度に「伸び」をしたりして肩甲骨周囲をほぐしてあげると良いだろう。
風邪などが原因で呼吸が浅くなることによっても、結果的に「ゾクゾク感」が引き起こされる。その場合は医療機関にかかるか、安静にすることで改善するであろう。
「腰から下の下半身が冷える」
疲労感と共に肉体的な疲労もあり、代謝が落ちている時に感じられることが多い。
これは腎臓を始め下半身への血液量が不十分になっている可能性が考えられる。足の土踏まずあたりの細い静脈が蒼黒く浮き上がって見えているという特徴がある。
この状態を放っておくと、結果的に下半身の代謝が落ちていくという傾向に陥り、更に下半身の冷えがエスカレートすることになるわけである。
「めぐること」を良しとする東洋医学において、「停滞する」というのは病気の根源と考える。
同じ姿勢を続けることは、冷えだけに留まらず様々な身体と心の症状に繋がっていく。
偏った栄養や偏食を見直し、バランスの良い食事をする。また、同じ姿勢の連続を辞め、適度に立ち上がり少しでも歩くことで血液を巡らせる。
そうすることが「めぐること」を促し、「冷え」を改善していくことになるだろう。
まだまだ外気の冷える季節であるが、体の「冷え」には十分に意識を向け、健全に冬を越していただきたい。
参考文献
「心も体も冷えが万病のもと」川嶋 朗
「めぐり美容」中根 一
「子宮を温める健康法」若杉 友子