【MFA健康コラムVol.43】「食べ過ぎない」ということ その1
8月の残暑がまだ残る9月であるが、夜になると鈴虫の鳴き声も聞こえ始め秋を感じる季節になってきた。
朝夕と日中の温度差もある中において、ご時世柄、特に体調管理を意識して日々を過ごしたいものだ。
猛暑だった夏の疲れを取り除き、例年違わずウイルスが蔓延する冬に向けて体力を充足させるために、過ごしやすくなってくるこの秋の時期を「何かを始めるスタート」と位置付けてみてはどうだろうか。
今回はそのキッカケになれば、という思いをのせて、カラダを整えることに大きく繋がる「食事」にフォーカスを当ててみることにする。
どの方の日常にも存在し、身近なものとなっている「食事」から、カラダの健康を手に入れて欲しいと思う。
*今回の投稿は個人のカラダの変化や効能などを保障するものではない。参考としてお読み頂ければ幸いである。
【環境要因という考え】
何か達成したいことがあるとする。
「快適に暮らしたい」や、「健康でいたい」。もしくは「怪我を治したい」。スポーツ選手であれば「より速く走れるようになりたい。」など。
その「何かを達成する為に必要な要素」には何があるかと問われれば、皆さんは何をイメージするだろうか?
スポーツ現場で選手のサポートをするアスレティックトレーナー(日本スポーツ協会公認資格)は、サポートする選手が「なりたい目標」に向かって歩むときに、サポートする上で大切にしているマインドとして「三つの要因」からアプローチをかけるように学びを得る。
その三つとは「体・心・環境」の要因である。
選手自身の体と心を整え、選手を取り巻く環境要因にまで目を向けて「なりたい目標」を達成するお手伝いをする。
具体的にはその環境要因として、練習環境や、チームメイト、監督コーチの存在、睡眠や食事など、選手自身の体と心に直接影響を及ぼすようなものが挙げられる。体を強靭に、そして強い心を養うには、環境要因を蔑ろにできないのである。トレーナーとして選手の周りの存在や食事、睡眠なども視野に入れつつ体と心を整えていくこともアプローチの一つになってくる。
また、東洋医学を学び、その知識をもとにしてヒトのカラダを診る鍼灸師は、患者さんの痛みや不調の原因として、「不内外因」という考えを持っている。
内因とはその人自身の感情にその病因があると見立てること。思い悩んだり、時には喜びすぎることでさえ体の不調や痛みなどの原因になるとする考えである。
また、外因は季節ごとの変化やそこから受ける体へのストレスが病因であると見立てることになる。夏の暑さでの疲労や、冬に流行る風邪などは、この外因に該当していく。
不内外因には、生活習慣や予期せぬ災害などが該当し、その中には「食生活の乱れ(食べ過ぎ)」や飢餓などが含まれてくる。東洋医学のように長い歴史のある考えであっても、その不調や養生方法として食事などを含む要因を大切にしているのである。
医師の秋月辰一郎先生は著書「体質と食物 健康への道」の中で、食べることで私たちの体質は作れられる「体質即食物」である。とおっしゃっている。
人が健康でいられる為には「環境」が重要であるが、その環境というは太陽・空気・水と色々と考えらえれる中でも、食べ物がそれを代表していると。
食べ物によって体調を崩すことがあり、食習慣によって病気にかかりやすくなる。反対に、食べることで私たちは健康でいられるし、病気にかかりいく体質にもなるのである。
体を健康にするには様々な方法があるが、改めて、その日常となっている食事の大切さをご理解頂けただろうか?
後半は、現代の食事についてと、食事量について過去の偉人たちが残してきた言葉を紹介する。
参考文献
土井 善晴「一汁一菜でよいという提案」
秋月 辰一郎「体質と食物 健康への道」
石黒 成治「医師がすすめる少食ライフ」