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【MFA健康コラムVol.122】連休明けの”だるさ”に効く、小さな一歩

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MFAオフィシャル健康コラム

【MFA健康コラムVol.122】連休明けの”だるさ”に効く、小さな一歩

新年度が始まり、長い連休前後で忙しないこの季節。

朝の目覚めが重く感じたり、なんとなく気分が乗らなかったり・・。心と体のリズムがうまく噛み合わず、「やる気が出ない」「体がだるい」と感じる方もいるのではないだろうか。

人は環境の変化や生活リズムの乱れに、想像以上に影響を受けている。この「鈍り」を解消するのに、特別なことを始める必要はない。「歩くこと」。まずはそれだけで良いのである。

 

 

 

【運動ではなく、「歩く」という習慣】

 

最近は“トレーニング”や“ワークアウト”という言葉が定着し、運動のハードルが少し高く感じられることもあるかもしれない。しかし、「歩くこと」はよりシンプルで、より自由で、より自然なものである。わざわざ準備をしなくても、今すぐにでもはじめられる。それが“歩く”という行為の強みなのだ。

特に、連休明けのように心身がゆらいでいる時期には、体に“やさしい刺激”を与えることが大切である。

たとえ5分でも10分でも構わない。歩くことで、全身の血流が促され、自律神経のバランスが整っていくことだろう。

 

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【心も動かす”歩く力”】

 

「歩くことで人生が変わる」と言っても、大げさではないのかもしれない。

実際に、歩行には脳を活性化させる作用があり、創造力や思考力を高めるという研究結果も多く報告されている。また、リズムよく歩くことは、呼吸を深め、自律神経を整えるうえでも効果的である。

 

日々のストレスや不安、悩みがあるとき、答えが出ないまま机に向かっていても進まないこともあるだろう。

歩きながら考えると、ふっと答えが浮かんできたり、気持ちが軽くなったりすることがある。これは「歩く」ことが、脳に酸素を届け、心の余白をつくる作用を持っているからなのだ。

 

 

 

【”なんとなくの不調”の正体と向き合う】

 

連休明けの「だるさ」や「やる気の低下」は、気合いや根性の問題ではない。

人間は、休んだ分だけ、元のリズムに戻すエネルギーを必要とする生き物なのだ。その“切り替え”のタイミングで起こる不調は、実は体が発しているサイン。無理に動こうとせず、まずは「体を感じる」時間をつくってあげることが何よりも重要である。

 

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歩くことには、血流や代謝を促すだけでなく、「今、どんな感情があるのか」「体は何を感じているのか」に気づく、体を感じる“感覚のスイッチ”を入れる力も持っている。なんとなく不調な自分を立て直すための入り口として、歩くことほど効果的で、手軽な手段はないかもしれない。

 

 

 

【はじめるなら、「いま」「ここ」から】

 

歩くことを始めるのに、特別な道具はいらない。ルールもない。歩幅を大きくしても小さくしてもいい。スマホを見ながらではなく、景色や音、光や風、空気を感じながら、呼吸と足取りとを合わせてみる。それだけで、体の深いところが“整っていく”感覚が少しずつ生まれてくるはずだ。

もし「運動が苦手」「継続が難しい」と思っている方がいれば、まずは毎日の中に”少し遠回りする”時間を入れてみよう。一駅歩く。夕食のあとに家の周りを一周する。通勤、通学の駅や学校、職場の階段を使う。そういった些細な行動の変化が、心と体に確かな変化をもたらしてくれるはずだ。

 

 

 

【一歩ずつ、整えていくということ】

 

体調が整うというのは、派手な変化ではなく、“じんわり”と感じるようなものかもしれない。その積み重ねが、やがて心の安定や日々のパフォーマンスに繋がっていくのである。

「歩く」ことは、もっとも簡単で、もっとも奥深いセルフケアのひとつ。そして何より、自分自身と向き合うための、静かで力強い時間でもあるのだ。

 

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新たな動きも多かったであろう4月からの体と心の為にも、そして連休で”なんとなくの不調”を感じている方も、今こそ、あらためて歩くことを生活に取り入れてみてほしい。その一歩が、今日より明日を少し軽やかにしてくれるキッカケになるかもしれない。

 

 

 

参考文献

池田 光史「歩く マジで人生が変わる習慣」NewsPicksパブリッシング,2025

石村 友見「Life is Wellness『健康な生き方』の科学」サンマーク出版,2024

 

 

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