【MFA健康コラムVol.119】休養がつくる未来のパフォーマンス
私たちは、日々の仕事や生活の中で「休むこと」を意識しているだろうか。
多くの人は、「休む=怠ける」と考えがちなのかもしれない。しかし、適切な休養こそが、心身の健康を保ち、持続的に高いパフォーマンスを発揮するための鍵となる。
休養を「何もしない時間」と捉えるのではなく、「次の行動をより良くするための準備期間」として捉えれば、休むことへの意識も変わるはずだ。一流のビジネスパーソンやアスリートたちは、意識的に休養を取り入れることで、より高い成果を生み出している。
本記事では、その”休養の本質”と、効果的な取り入れ方について考えていく。
【休むことが難しくなった時代】
現代社会では、テクノロジーの発展によって情報が溢れ、常に「つながっている」状態が当たり前になった。
その結果、「仕事とプライベートの境界が曖昧になり、意識的に休まなければならない時代」になっている。
SNSやメールの通知、終わりのないタスクに追われることで、気づかないうちに脳は疲弊し、ストレスが積み重なっていく。
しかし、一流の人々は、休養を「自己投資」と捉え、意識的に取り入れているのだ。
問題は、休む時間がないことではない。
本当に重要なのは、「どう休むか」である。
単にスマホを眺めたり、ダラダラと過ごすのではなく、意図的に休息をデザインすることが求められている。
【脳のための休養】
休養の目的は、単なる「体の回復」だけではない。「脳を適切に休ませること」が、次の日以降のパフォーマンスを左右する。その方法を幾つか紹介する。
①「何もしない時間」の大切さ
私たちの脳は、意識していない間も働き続けている。特に、スマホを見続けたり、仕事のことを考え続けたりすると、情報が処理される余白がなくなり、「脳疲労」が蓄積する。
そのため、意図的に「何もしない時間」を作ることが重要だ。
例えば、
• 窓の外を眺める
• 何も考えずに深呼吸をする
• スマホを遠ざけ、静かな時間を持つ
こうした行動は、脳をリセットし、新しいアイデアを生み出す余白をつくることになるのである。
②「自然に触れることの重要性」
公園や森の中で過ごすと、不思議と気分が落ち着くことがある。これは、自然のリズムが私たちの自律神経を整え、脳をリラックスさせる効果を持っているからだ。
都市生活の中では、意識しないと自然に触れる機会が減るため、「意図的に週に一度は自然の中で過ごす」ことが、脳の回復には理想的とされている。
暦の上では今年は2月4日から立春となり、それぞれの活動も年度末に向けて変化をしてくるタイミングかもしれない。
変化に適応するのは人間。その人間の体と心(脳)の状態を、ぜひ、”休日”の過ごし方で良い状態にすることも意識してみていただきたい。
次回は、更に休養について掘り下げていく。
日々の疲れを癒し、より良いパフォーマンスを発揮するためのヒントを探ってみよう。
参考文献
越川慎司「世界の一流は「休日」に何をしているのか」クロスメディア・パブリッシング,2024
片野秀樹「休養学:あなたを疲れから救う」東洋経済新報社,2024