【MFA健康コラムVol.114】冷えから身体を守る その1
季節も秋から冬に変わり、肌寒くなってくる。この季節の変化に同調して、巷では体調不良などが多くなってくるだろう。その変化の中において、至って普通に生活を出来る人と、体調を崩す人では何がどう違うのか?
今回は、この季節においての体調管理の方法を東洋医学的に解説していきたい。
これからの季節の養生法として参考にしてみてはいかがだろうか。
【四季を感じ、合わせる】
夏は暑くて冬は寒い。当たり前のようであるが、すごい変化である。
四季のある国に生きる日本人は、1年という時間の長さの中で、身体をこの気温や湿気の変化に合わせて調節していく。そして、ゆっくりとした四季の移り変わりの中で、少しずつ変化させ慣らしていくのである。
自然のリズムと人間のリズムを調和させることが出来なくなると体調を崩し、病気や症状が出てきてしまうことになる。
そうならない為にも、四季の変化を感じとることが、人間の身体のリズムを整える基本となってくる。
気候の変化を身体に受けて、同時に心の状態も変わるのだ。
例えば、春になって暖かくなると、ワクワクする。秋になって日が短くなると、なんとなく物悲しくなる。夏になるとなんだか身体もだるくて、気力が湧かない。冬になると風邪ばかり引いて参ってしまう。
毎年、この季節はいいことがたくさんある、もしくはこの時期になると体調が悪い、あるいは悪いことが起こる、という場合もあるだろう。それらはたまたまではなく、自然とのリズムと人間のリズムが同調できていないだけなのかもしれないのだ。
昔から伝わる季節に合わせた生活の知恵は、体調をよくするだけでなく、心の状態やさらには運気までをも良くするためのものだったのである。
【四季を更に細かく】
日本には四季があるが、それを更に細かく分けたものが「二十四節気」である。これは、江戸時代に太玄斎が記した「こよみ便覧」に詳しく書かれている。
1年の流れをざっくり説明すると、陽のピークで1年で一番昼の長い夏至。そして陰のピークが1年で一番夜の長い冬至。そしてそのピークを境に「反転」し陽は陰に、陰は陽にエネルギーを変えていくのだ。
体や心の状況も、この1年の陰陽のリズムに合わせて変化していくことになる。
自分の体や心の変化のルールを知っておいてこそ、適切に不調の予防もでき、手当も可能となってくる。そして更に季節の変化を味方につけていくと、よりよく生きていくことができるのである。
【11月は”冬”である】
二十四節気では、冬は「立冬」からはじまるもの。その後、「小雪」「大雪」「冬至(陰のピーク)」「小雪」「大雪」と続いていく。
11月頭は秋の暦である霜降であるが、2024年は11月7日に立冬が、そして22日に小雪がはじまる。この時期は、暦の上では秋ではなくて既に”冬”なのである。
その事を念頭に、次回はこの11月の養生法を、冬に気を付けたいこと、その後、立冬と小雪に分けて解説することとする。
参考文献
堀江 昭佳「血流がすべて整う暮らし方」サンマーク出版,2019
川嶋 朗「心もからだも「冷え」が万病のもと」集英社,2007