【MFA健康コラムVol.125】”整える”より、”戻れる”人に
「最近、ちょっと崩れてきたな…」そんな感覚を抱く時は誰にでもある。
気分が落ちたり、忙しさでリズムが乱れたり。
せっかく整えた“ご機嫌”や“やる気”も、環境や出来事によって崩れてしまうのが人間である。でも、本当に大切なのは“崩れないこと”ではなく、「崩れても戻れること」なのかもしれない。
今回は前月に続いて良い機嫌をどうやって”維持・継続”すれば良いかを掘り下げていく。
【“仕組み”で気分をつくるという考え方】
「意志が弱いから続けられない」と思っている人は少なくない。実際に、意志は筋肉のようなもので、使えば疲れる。
だからこそ、“続ける”ということを、気分や意志ではなく“仕組み”で支える必要がある。
例えば、
・朝、白湯を飲む
・スマホを見る前に5分のストレッチをする
・月曜の朝はお気に入りの服を着る
こういった小さな決まり事が、自分のご機嫌の“定位置”をつくってくれるのだ。
【”整える”は“習慣の中にある”】
習慣とは、無意識で繰り返せるもの。つまり、「ご機嫌を習慣化」できれば、わざわざ感情を整える努力も減っていくのだ。
職場でも家庭でも、誰かと関わっているからこそ、自分の状態を保つことは相手への貢献になる。
そのためには、「毎朝これをすると気分が整う」「こうすれば元に戻れる」という、“ご機嫌の戻り方”を持っておくことが鍵となる。
【“うまくいかない日”がある前提で考える】
私たちはつい、完璧を目指しがちである。でも、“毎日順調に続けられる人”なんて、実際にはほとんどいないだろう。
仕事が立て込んだり、体調を崩すことになったり、なんとなく気持ちが落ち込んだりと、そんな日は、誰にだって訪れる。だからこそ、「戻れる力」を鍛えておくことが大切なのだ。
例えば、夜に「今日は少し乱れたな」とノートに振り返りをしても良いだろうし、1週間のうちで週末だけ朝の習慣を意識してみたり、自分のリズムを取り戻すためにお気に入りの音楽を流してみたり。
これらの“戻れる行動”が、あなたの軌道修正力となるのである。
【“戻れるスイッチ”はどこにある?】
やる気や機嫌が崩れた日こそ、自分の“スイッチ”を知っているかどうかが大きな差になる。
誰にでも、自分を取り戻せるトリガーがあるはずだ。
・お気に入りの香りをかぐ
・誰かに感謝のLINEを送る
・5分だけ外の空気を吸う
・美味しいお茶を飲む
完璧じゃなくていい。崩れても、また戻れるように。”戻れる力”を持っている人こそが、しなやかに行動し続けていける人なのかもしれない。
気分は揺れるものである。ただし、自分でつくった“ご機嫌の習慣”があれば、崩れてしまった気分からも、何度でも戻ってこられる。
自分の何気ない生活リズムを俯瞰して、自分だけのご機嫌スイッチを探してみよう。
それこそが、あなた自身を守る大切な“習慣”になるのだから。
参考文献
辻 秀一「「機嫌がいい」というのは最強のビジネススキル」日本実業出版社,2024
星 渉「神モチベーション「やる気」しだいで人生は思い通り」SBクリエイティブ,2021