【MFA健康コラムVol.123】”期限がいい”は、自分次第
最近、どんな“気分”で過ごしているか?
気分が良い朝もあれば、なんだかモヤモヤする日もある。誰にでも起こる“心の波”を、どう扱うかで、その日一日のクオリティが大きく変わってくるだろう。
仕事が忙しいから。天気が悪いから。誰かに嫌なことを言われたから。
つい私たちは「不機嫌の原因は外にある」と思いがちだ。
でも実際は、“自分の機嫌をとる”ことは、”自分にしかできないのかもしれない”と捉えてみると、どんな策が思い浮かぶだろうか?
【”機嫌を整える”という、セルフケア】
“ご機嫌でいる”というのは、問題がないという状態ではない。むしろ、「どんな状況でも、自分を整えていられる」という力なのである。
・朝、気持ちよくコーヒーを飲む。
・お気に入りの靴で出かける。
・音楽をかけながら、少し鼻歌を歌ってみる。
そういった些細な行動が、実は“感情の方向”を決めるスイッチになるのだ。
小さな整えが、自分を守り、人を思いやる余裕につながる。
心の余白を持ち続けている人には、自然と信頼が集まり、空気も柔らかくなる。
それが結果的に、組織の空気やパフォーマンスにも良い影響を与えるのである。
【ご機嫌は、習慣でつくれる】
“気分”はコントロールできないものではなく、実は「整える技術」として育てることができる。
感情は、脳の“前頭前野”の働きと密接に関わっており、この部分は習慣や選択によって鍛えられるのだ。つまり、「機嫌を整える力」=「セルフマネジメント力」なのである。
人は職場でも家庭でも、私たちは常に“誰か”と関わっている。
だからこそ、自分の状態を整えることは、他人への最善の貢献にもつながると考えてみよう。
今の時代、どんなスキルよりも「機嫌を整える力」が、最強のビジネススキルになるかもしれないのである。
【”やる気”は、待たずに生み出すもの】
「今日はやる気が出ない」「なんとなくモチベーションが湧かない」そんな日があるのは当然である。
しかし、本当に差が出るのは“その後”の行動。
やる気を待ち続けるか、それとも、“やる気が出る状況”を自分でつくるか。この違いが、積み重なると大きな差になるのである。
脳科学的にも、やる気は“行動のあと”についてくるもの。
特に、達成感を感じたときに分泌される「ドーパミン」は、やる気のエンジンとなってくる。
つまり、「やる気があるから行動する」のではなく、「行動したからやる気が出る」という順番なのである。
例えば、
・机の上を片づける
・TODOリストを3つだけ書く
・5分だけ歩く
・まずは1通のメールを返す
そんな小さな一歩が、“脳のやる気スイッチ”を入れてくれるかもしれないのだ。
やる気は、才能ではない。「どうしたら、自分が動き出せるか」ということは自分次第ということ。
気分に左右されない人は、“やる気のつくり方”を知っているし、それを知らないと「やる気が出ないまま動けない人」になってしまうかもしれない。
どんな時も、自分の感情と向き合いながら、少しだけでも前へ行動し進むこと。
その積み重ねが、あなたを“やる気に頼らない人”に育ててくれることだろう。
参考文献
辻 秀一「「機嫌がいい」というのは最強のビジネススキル」日本実業出版社,2024
星 渉「神モチベーション「やる気」しだいで人生は思い通り」SBクリエイティブ,2021