【MFA健康コラムVol.30】マスクと表情 その2
前回は、表情が理解力や記憶力、思考力へ影響を及ぼす可能性があることをお伝えしました。
今回は自分の表情を知ることについて、お話しします。
【どんな表情をしている】
「人は自分のことをよくわかっているという錯覚から、ほとんどの人は意識的に自分を見ようとしない。」とダンシングアインシュタインの青砥先生は著書の中で記しています。
面白い実験があります。
「鏡で自分の顔を覗いてごらん」と、誰かに言って、その様子を観察してみましょう。
よく見ると、きっと何人かは鏡を覗いた瞬間に目が大きくなるはずです。
他人に見えている自分と、自分に見えている自分の変換点がそれです。
つまり、他人が見ている自分の姿と、自分に見えている自分の姿は、ほんの少しずれているという可能性があるということ。だからこそ、主観的な自己を知るだけでなく、客観的な自己を知ることが大切な学びとなってきます。
このような「自分自身を客観視、俯瞰視」した認知の状態をメタ認知といいます。
自分自身を主観的から客観的に、一面的から俯瞰的に捉えることがそれにあたります。
【顔のメンテナンス】
ここでは具体的な顔のメンテナンスは割愛しますが、まずは自分自身の表情がどのようなものになっているかを理解しておきましょう。
顔に関してもメタ認知的な視点でまずは『自分自身の顔を知る』ことがスタートとなります。
女性は男性より高頻度で鏡で顔を見るかもしれませんが、マスクを外した直後の表情と、顔の筋肉を動かした後とを比較して確認をしてみるのも良いでしょう。
ちなみに顔の筋肉は口の周囲だけで12個くらいあります。口を動かすだけでも、動かしにくさを実感できるかもしれません。
外出する前には鏡で笑顔を作り、A10神経群を活性化させましょう。
また、時間帯にもよりますが、顔の筋肉をセルフでマッサージしたり、行きつけの鍼灸院などで美容鍼をしてもらうのも良いかもしれません。
また、顔だけに拘らずに視点をカラダへ広げてみましょう。
社会心理学者のエイミー・カディ氏によると、ハイパワーポーズという動作(万歳動作)を行うと、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少するという実験報告があります。これは顔のメンテナンスとともに、日常に取り入れやすいことなので紹介しておきます。
自分では解決できない問題や、大きな時代のうねりの中にいる現在。
環境を大きく変えることは難しくとも、自分の表情にフォーカスを当てることで脳のパフォーマンスを向上させる。また、向上に囚われなくとも、せめて衰退や老化から自らを保っておくことのキッカケやヒントになれば幸いです。
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