【MFA健康コラムVol.29】マスクと表情 その1
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、私たちの生活にマスクは切っても切れないものになっています。マスクを装着することによる表情、感情への影響はないのでしょうか??
【マスクと顔】
昨年から続くコロナ禍によって、感染予防のためにマスクを装着する日常が普通となりました。
マスクを1日装着して家に帰り、大きな口を開けて顔の筋肉を動かしてみてください。思った以上に顔の筋肉が硬化していることに気付くと思います。
他人と会話する時も、マスク越しである為に声のボリュームは意識するようになったかもしれませんが、顔の表情はマスクによって隠れ、何よりマスクによって一定の時間圧迫を受けることになります。
それによって顔の筋肉が使われない、もしくは硬化している可能性が十分にあり得るのです。
相手の笑顔によって自分自身も笑顔になり、そしてポジティブな気持ちになってくる。そんな経験は誰しもあるると思いますが、このコロナ禍においては相手の表情が隠れているため、自分以外の他人から受ける影響や機会が少なくなっています。
「マスクを外して相手に好印象を」とはいかないので、せめて、表情筋を使って笑顔になる効能を理解して、自分自身の感情をポジティブに変化させようではありませんか。
【顔面フィードバック説】
アメリカの心理学者トムキンス氏がある仮設を発表しています。
顔の筋肉は、脳の中でも感情を司るA10神経群と密接に関係していることから、笑顔を浮かべると脳が楽しいと勘違いしてポジティブな思考になりやすい。反対にしかめっ面をしているとポジティブな気持ちにはなりにくい、ということを発表しました。
ちなみにこのA10神経群は、脳内に入ってきた情報に「好き」「嫌い」などの感情のレッテルを付けます。人間の脳が理解したり思考したりして記憶する情報は、すべて感情のレッテルがついたものなのです。
つまり理解力、記憶力、思考力などの脳の力には、脳内に入ってきた時の「感情」に左右されるということです。
「いやだ」「嫌いだ」というレッテルをはられた情報は、しっかりと理解できずに、思考も深まらず、記憶もされにくくなります。またこのA10神経群の中には感動を司る「尾状核」があり、気持ちを動かすことができると、判断力と理解力が高まってきます。
脳内に入ってきた情報に素直にポジティブなレッテルをはり、感動することが大切であることが分かります。
仮に、マスク装着により顔の筋肉を使う頻度が落ちているとしたら、脳の中でも感情を司るA10神経群の働きが悪くなり、理解力、記憶力、思考力、や「素直に反応する」ことへの悪影響にも繋がってくるかもしれません。
では、自分自身がどんな表情をしているのか。次回はそこから知っていきましょう。
【MFA健康コラムVol.26】健康づくりのための身体活動基準