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【MFA健康コラムVol.20】「高齢者の健康づくり」のための取り組み・しくみ作り

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MFAオフィシャル健康コラム

【MFA健康コラムVol.20】「高齢者の健康づくり」のための取り組み・しくみ作り

★フレイル健診がスタート★

「高齢者の健康づくり」のための取り組み・しくみ作り

 

フレイルについては、以前のブログでも「フレイルの予防と改善方法」にて、ご紹介しました。

今回は、健康寿命延伸の課題解決方策として注目されているフレイル対策が2020年度からスタートしたことから、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な取り組みについて、ご紹介いたします。

 

既にご存じの方も多いとは思いますが、フレイルとは、高齢者の筋力や活動の低下状態で、健康状態と要介護状態の間にある「虚弱状態」を指します。フレイルは複数の要因が重なって悪化していくことでリスクが高まりますが、介入によって健康的な状態に戻せるという特徴があります。

 

「フレイル対策」への取り組み
■健康事業と介護予防を一体化
身体的、精神的、社会的要因を引き金としてフレイル状態になりやすいことに加え、高齢者は複数の慢性疾患を抱えていることが多いことから、国はフレイル状態の高齢者をいち早く探し出し、健康な状態に戻せるようなしくみ作りに乗り出しました。このしくみ作りには、高齢者一人一人の状況を把握することが必要となります。

 

わが国では、75歳の後期高齢者になると、国民健康保険から後期高齢者広域連合の保健事業へと移行されますが、この移行には課題も多くありました。

その中でも大きな課題として、

・移行時に高齢者の情報が連携されないこと

・広域連合の保健事業では、健診のみの実施が多く、この健診にはフレイルの概念が入っていないこと

・介護予防事業は、市町村が独自に行っていること 

など、一体化していない状況が存在しました。

 

こういった状況をふまえ、厚生労働省は2018年9月に「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」を開催し、2020年4月より市町村などが主体となった一体的実施の事業が開始されました。

 

<一体的実施の事業開始までの流れ>
・2018年9月 
「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」の開催し、報告書(同年12月)をまとめる。

 

・2019年5月
上記の報告書を基に法律案が閣議決定され、改正法が成立。一体的実施展開の方向性、具体的なメニューの実施を提示するための「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の推進に向けたプログラム検討のための実務者検討班」が立ちあげられる。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken_553056_00013.html
同年10月には「高齢者の特性を踏まえた保険事業ガイドライン第2版」を公表。

 

2020年4月 
上記ガイドラインに沿って、市町村などが主体となり、一体的実施の事業が開始される。

 

■市町村を主体に保健師などの医療専門職が中心となり実施
●高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施(スキーム図)

(健康づくり2020.3より)

 

上記の図では、広域連合と市町村が連携し、市町村が介護保険の地域支援事業や国保の保健事業と一体的に実施されることが示されています。

 

■市町村における一体的な取り組み実施イメージ
●高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施

(健康づくり2020.3より)

 

■医療・健診・介護情報(高齢者)の一元管理が可能となる「国保データベース(KDB)」活用が重要なポイント
データベース同士が連結・一括管理することで、今後は高齢者一人一人のきめ細やかな状況把握が可能となります。地域においては、保健師を中心とした医療専門職者が事業全体のコーディネート役を担い、一元管理できる医療・介護データの解析を行うことで、地域の健康課題を把握し、閉じこもりがちな高齢者や健康状態が不明な高齢者、具体的な健康課題を抱える高齢者を特定することができます。必要に応じて訪問型支援サービスや医療・介護サービスへ繋げることも可能となっています。

 

■「通いの場」を活用した高齢者の支援
市町村が介護の地域支援事業、国保の保健事業との一体的な取り組みを実施する例として、「通いの場」の活用がありますが、「通いの場」に保健医療サポートが加わることで、医療専門職による健診の受診や運動教室への参加など、フレイル予防のための多面的な支援を受けることができます。

また、アウトリーチ支援などを通して、高齢者の健康状態を把握し、必要な医療・介護サービスに接続することで、フレイル予防などへ繋げることが可能となります。
これにより、疾病予防、重症化予防を推進することもできるため、一体的実施の推進によるフレイル予防対策は、地域全体で高齢者を支える「地域づくり・まちづくり」対策と同等と考えられます。

 

フレイル健診 15問の質問票
下記の図は、フレイル健診の質問票です。
一体的実施にあたり、後期高齢者の医療制度の健診に使用されてきた標準的な質問票の見直しが行われ、身体的フレイル、精神的フレイル、社会的フレイルなどの兆しを把握するために「後期高齢者の質問票」が新たに作成されました。

 

■後期高齢者の質問票(フレイル健診の質問票)

(出典)厚生労働省「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版」2019
(健康づくり2020.3より)

 

上記15問の質問項目については、エビデンスに基づいて設定されています。
参考:厚生労働省「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版」
(※別添資料にフレイル診断に関わる各質問についてのエビデンス・統計・留意事項等が記載されています。)
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000557576.pdf

 

●「運動・転倒」に関する項目のエビデンス例
「運動・転倒」の項目は、運動指導者と関連の深い質問項目となります。該当する質問項目は、質問7(歩く速度)、質問8(転倒の有無)、質問9(運動習慣)の3つとなり、合わせて確認する事が重要となります。

 

質問7「歩く速度」のエビデンス
要介護認定リスクは、歩行速度低下を有するフレイルにおいて最も高かった、というエビデンスがあります。このようなエビデンスから、「遅くなった理由を探る」ことが聞き取りのポイントとなります。

 

(出典:健康づくり 2020.3)

 

質問8「転倒の有無」のエビデンス
骨折・転倒は、介護が必要となった主な原因として、「認知症」「脳血管疾患」「高齢により衰弱」についで第4位となっています。聞き取りを行い、状況に応じて既存の健康増進施設の案内や自発的なウォーキングの推奨、地域包括支援センターの紹介や介護サービスの相談に繋げることなども必要となってきます

 

質問9「運動習慣」のエビデンス

運動習慣があることがフレイル予防に繋がる、というエビデンスがあります。ウォーキング以外に意識的に運動を行っているか?体を動かしているか?(家事や趣味)などの声掛けを行い、日常生活での身体活動量や運動しない理由について確認する事が聞き取りのポイントとなります。

 

 

上記のように質問票の背景にあるエビデンスを十分理解したうえで、高齢者への声掛けやサポートをすることが望まれており、年1回の後期高齢者の健診の場だけではなく、通いの場や健康相談、医療機関での受診時などの様々な場面でも使用されることも想定して質問票は作成されています。

 

今後、質問票とKDBシステムから抽出された医療・健診・介護情報を組み合わせることにより、高齢者の健康状態を把握し、よりきめ細やかな対応が可能となってきます。

 

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●メディカル・フィットネス協会の介護予防運動トレーナー養成講習会では、介護の現場など、
高齢者に身近な人が介護や低栄養予防などの知識を身に付けて頂ける内容となっています。

 

・介護予防運動トレーナーとは
介護予防の基本的知識(認知症・失禁・低栄養・行動科学・マネジメント等)や運動指導に必要な知識・技能(転倒予防・筋力向上トレーニング等)を身につけ、高齢者ができる限り、要介護状態になることなく、健康で生き生きとした老後生活を送れるように安全で効果的な運動プログラムを提供するとともに、高齢者一人ひとりの生きがいや自己実現のための取り組み、生活の質(QOL)の向上を支援するための資格です。

 

・介護予防運動トレーナーを取得すると
高齢者に多い、転倒・骨折からの寝たきりを防ぐための転倒予防や、失禁予防のための運動の実践ができます。また、実技実習では、援助者の立場からだけではなく、援助される側の気持ちも体験し、学び今後の実技援助・指導に役立てることができます。そして、市町村における各種教室の指導や老人福祉施設等でも活用することができます。

 

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