【MFA健康コラムVol.38】ストレスへの理解 その2
前回は「ストレスとは何か」について紹介した。今回はそのストレスを分解して、その本質の理解に繋げてみたいと思う。
【ストレスを分解し考える】
「ストレスでもう無理だ!」「本当にストレス…しんどい…」という言葉を口にした事はあるだろう。
もちろん自分自身もそうであるが、他者からの言葉を耳にしたことも多いのではないだろうか。
このように、ストレスという言葉は広義の意味で使われることが多い。目の前で起こった事象をストレスということもあるだろう。一般的にはストレスの原因は外界の情報や言葉の圧力など「自分以外の他人・モノ・コトのせい」にされることが多いのではないだろうか。
しかし、ストレスを深く捉えるためには、「間接的な原因」と「直接的な原因」を分けて考える必要がある。
【間接的な原因】
例えば、コーヒーをこぼしたことを想像して欲しい。これによってストレスを感じるかどうかは人によるだろう。
間接的なストレスの原因となるものを「ストレッサー」と呼ぶ。
このストレッサーには大きく分けて二つの分類がある。
一つが外部からの刺激がストレスの間接的な原因となる「外刺激由来のストレッサー」である。コーヒーをこぼしたという事実は、「外刺激由来のストレッサー」である。
こぼしたコーヒーがストレッサーとなる訳であるが、それを思い返す度に再度ストレスを感じる場合がある。自分自身が思い返すことなどがストレスの原因になっている状態だ。
これは自分自身が発端になるので「内刺激由来のストレッサー」となる。
【直接的な原因】
一方、直接的な原因にはどのようなものがあるのか。
ストレッサーが我々に作用すると、それに伴った反応が身体内、脳内に駆け巡る。
このストレッサーによって導かれる脳内、身体内での変化を総称して「ストレスメディエータ」という。メディエータとは「仲介者」を意味し、まさにストレスの媒介というわけだ。
そして、その脳内、身体内の変化であるストレスメディエータが発露した状態を認識した状態が、「ストレス」である。
このように、ストレス反応している状態と、その状態を認識する反応では、異なる脳の仕組みを使っているのだ。
犬に追いかけられたとする。
追いかけられた事はストレスの原因である「ストレッサー」に該当し、それによりドキドキしたり心拍数が上昇したりする反応が「ストレスメディエータ」となる。
この、「犬に追いかけられてドキドキした」ということを認識している状態を「ストレス」というのだ。
また、その追いかけられたという事実を自分の中で思い返すことで、自分自身が発端である「内刺激由来のストレッサー」を発動させることにもなる。
何気なく使うことが多い「ストレス」。使い勝手の良い言葉であり聞く人にとっても馴染みある言葉であるが、その本質を少しは理解して頂けただろうか。
次回はそのストレスの役割と、ストレスとの付き合い方について紹介する。
参考書籍
「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」ケリー・マクゴナガル
「ブレインドリブン」青砥瑞人
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