【MFA健康コラムVol.35】自分の現在地を知る、その後に その1
前回の投稿では、「アウトプット」の頻度を持つことで自分自身を整える方法を紹介した。
カウンセリングなど専門的な方に話を聴いてもらう機会を持つことで、問題解決に至ることができるかどうかよりも、フラットな自分で「本当に向き合うべき問題」に目を向けることができるようになること。
また、ジャーナリングを通して、「今、ここ」に集中することでマインドフルネスが鍛えられることをお伝えした。
改めて前回のコラム内容である、マインドフルネスとはどのようなことなのか、を記載しておく。
『流動性が大きく、複雑さを増し続ける現代社会は、そこに暮らす人々を「知らない街に置き去りにした状況」と言えるかもしれない。
日本の中心都市で再開発工事中の地下道に迷い込んだ外国人観光客や、初めて首都高速に乗り入れた地方のドライバーが味わうような不安や焦りを、多くの人が抱えている。そんな複雑で、予測の難しい社会を生きていくためには「注意深く、今の自分の状況(立ち位置、心身の状態)や性能(能力、特性)、使える手段(知識や技能)、リソース(助けてくれる人や持っている資金など)を知ること」が必要になってくる。
カーナビが高性能のGPSで現在地点を知らせるように、今の自分を知るための基盤が注意深さというマインドフルネスなのである。』
アウトプットやジャーナリングを通して、上記のマインドフルネスを鍛えていく。
今一度、前回の投稿にも目を通して頂きたい。
では、マインドフルネスが充足しているとして、今の時代を生き抜いていく上で、さらに何が必要になってくるのであろうか。
【問題解決の思考法】
今の自分の立ち位置や状況を把握できるようになり、具体的に取り組む・向き合うべき問題が分かったとする。
その時に、皆さんならどのような思考法で問題を解決していくだろうか?
様々な考えや思考法があって当たり前だが、選択肢が1つしかない場合と複数ある場合とでは、問題解決へのスピードも違ってくるのではないだろうか。
ここから紹介する思考法はあくまで参考であり、この記事を読んだ方の「今目の前にある問題を解決に導く最短ルート」のご紹介ではないことを、予めご了承頂きたい。
【高速道路効果】
目的地(目標や叶えたいこと、解決したこと)に向かう時、一直線に向かうことが果たして「最短」なのか?という考えがある。
経済学の考えにあるこの「高速道路効果」は、元を辿れば19世紀にドイツの哲学者ヘーゲルによって再発見された「認識の方法」を、経済学者のカール・マルクスが「ヘーゲルの弁証法」としてさらに定式化した「異質なふたつの要素を統合させる」考えから応用されている。
AとBというふたつの地点があるとする。では、AからBに一番早く行くのはどのようなコースを巡ると良いだろうか?
ほとんどの人が「直線で向かうコースが早い」と答えるだろうが、実際に早くBに着くことができるのは、実はCという地点を経由する方法だったりするのだ。車を使って京都から東京に向かう時、一般道をできるだけ直線で向かうよりも高速道路に乗って移動した方が、結果的に早く着くことになる。
考えてみれば当たり前であるが、多くの人が忘れがちなことでもあるのではないだろうか?
何か達成したい目標の為に、そこに繋がる異質なモノを組み合わせてみる。
例えば、仕事で結果を出したいのであれば仕事を頑張るのは大前提として、仕事をする自分の身体をメンテナンスしたり、体力をつける目的でトレーニングを行ったり、結果的に仕事に結びつく行いを実践してみる、などがそれである。
すべてが繋がっていると考え、視野を広く持ち、取り組みの幅を広げることが、実は「最短距離でのアプローチ」になるかもしれない。
参考書籍
「手で書くことが知性を引き出す」吉田 典生
「直線は最短か?」阪原 淳
【MFA健康コラムVol.27】チャレンジの仕組みを紐解く その1
【MFA健康コラムVol.28】チャレンジの仕組みを紐解く その2
【MFA健康コラムVol.31】ストレスの向き合い方 その1
【MFA健康コラムVol.32】ストレスの向き合い方 その2