【MFA健康コラムVol.16】平成30年 国民健康・栄養調査結果について
平成30年 国民健康・栄養調査結果について
平成30年11月に実施されました「平成30年 国民健康・栄養調査」の結果が1月14日に公表されました。
国民健康・栄養調査とは、毎年、国民の健康状態や生活習慣、栄養素摂取量を把握するために行われている調査です。
今回のコラムでは、調査概要と、基本項目の中の「栄養・食生活に関する状況」「身体活動・運動及び睡眠に関する状況」「飲酒・喫煙に関する状況」から、目標値に対しての結果という形で紹介いたします。
平成30年の調査では、これまでの基本項目に加え、所得や社会経済状況における生活習慣等に関する状況が追加されております。
結果については、下記リンク先を参照ください。
参考:厚生労働省 平成30年国民健康・栄養調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000584138.pdf
■国民健康・栄養調査の概要
国民健康・栄養調査は、国の健康増進対策や生活習慣病対策に不可欠な調査として、食生活状況、各種身体検査、血液検査、飲酒、喫煙、運動習慣などが調査されています。
全ての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を目指す「健康日本21」計画においても、この調査の重要度が益々高まっています。
(健康日本21(第二次)に関する記事はコチラhttps://mfa.or.jp/840/)
■栄養・食生活に関する状況
1.食塩摂取量の状況
食塩摂取量は、この10年間で減少傾向にあります。
●平均値:10.1g ●男女別:男性11.0g 女性9.3g
※ちなみに、健康日本21(第二次)の目標は、1日あたりの食塩摂取量の平均値8g
食塩摂取量の平均値(20歳以上、性・年齢階級別)をグラフで見ると以下のようになります。年齢階級別にみると、男女とも60歳代で最も高いことが分かります。
2.野菜摂取量の状況
野菜摂取量は、この10年間での有意な増減はみられませんでした。
●平均値:281.4g ●男女別:男性290.9g 女性273.3g
※ちなみに、健康日本21(第二次)の目標は、1日あたりの野菜摂取量の平均値350g
野菜摂取量の平均値(20歳以上、性・年齢階級別)をグラフで見ると以下のようになります。年齢階級別にみると、男女とも60歳以上は多く、20~40代は少ないことが分かります。
3.食品を選択する際に重視する点
食品を選択する際に重視する点として、「おいしさ」を重視する人が多いことが分かりました。
●男性 74.4% 女性:77.4%
男女で大きく分かれたのは「栄養価」「季節感・旬」「安全性」、次いで「鮮度」、「価格」という結果になりました。
食品を選択する際に重視する点(20歳以上、性・年齢階級別)をグラフで見ると以下のようになります。
※複数回答のため、内訳合計が100%にならない。※網掛けは各年代で最も回答が多い項目。
4.栄養バランスのとれた食事に関する状況
●ほとんど毎日バランスの取れた食事を食べる人の割合は、男性45.4%、女性49%
(主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる)
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事のバランスが良いと知っている割合は男女平均92.3%と高いにも関わらず、「手間がかかる」などの理由から、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度が週5日以下と回答した人の割合が高いことも分かりました。主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度(20歳以上、性・年齢階級別)をグラフで見ると以下のようになります。
問:あなたは、主食(ごはん、パン、麺類などの料理)、主菜(魚介類、肉類、卵類、大豆、大豆製品を主材料にした料理)、副菜(野菜類、海藻類、きのこ類を主材料にした料理)の3つを組み合わせて食べることが
1日に2回以上あるのは週に何日ありますか?
■身体活動・運動及び睡眠に関する状況
1.運動習慣者の状況
運動習慣は、この10年間で有意な増減はなく、女性では有意に減少しています。
●運動習慣の割合:男性31.8% 女性25.5%
※ちなみに、健康日本21(第二次)の目標値は、
20~64歳 男性36% 女性33%、65歳以上 男性58% 女性48%
運動習慣のある者の割合(20歳以上、性・年齢階級別)をグラフで見ると以下のようになります。男女ともに20歳代で最も低く、それぞれ17.6%、7.8%であることが分かります。
2.歩数の状況
歩数は、この10年間で男女ともに有意な増減はみられませんでした。
●20~64歳の歩数 男性7,644歩 女性6,705歩
●65歳以上 男性5,417歩、女性4,759歩
※ちなみに、健康日本21(第二次)の目標値は、
20~64歳 男性9,000歩 女性8,500歩 65歳以上 男性7,000歩 女性6,000歩
歩数の平均値(20歳以上、性・年齢階級別)をグラフで見ると以下のようになります。※100歩未満または5万歩以上の者は除く。
3.睡眠の状況
平成21年からの推移でみると、「ここ1ヶ月間、睡眠で休養が十分にとれていない」者の割合は有意に増加しています。
●睡眠で休養が十分にとれていない者の割合は 21.7%
※ちなみに、健康日本21(第二次)の目標は、「睡眠による休養を十分とれていない者」の割合の減少
目標値:15%
1日の平均睡眠時間(20歳以上、性、年齢階級別)をグラフで見ると以下のようになります。
ここ1カ月間の平均睡眠時間が6時間未満の者の割合は、30~50代男性、40~60代女性で4割を超えていることが分かります。
■飲酒・喫煙に関する状況
1.飲酒の状況
平成22年からの推移でみると、女性は有意に増加しています。(男性は有意な増減はなし)
生活習慣病のリスクを高める量を飲酒しているものの割合(20歳以上、性、年齢階級別)をグラフでみると、男性 15.0%、女性 8.7%であることが分かります。
※ちなみに、健康日本21(第二次)の生活習慣病のリスクを高める量を飲酒しているものの割合の減少の目標は、男性13% 女性6.4%
2.喫煙の状況
習慣的に喫煙しているものの割合は、この10年間でみると、いずれも有意に減少しています。現在習慣的に喫煙している者の割合(20 歳以上、性・年齢階級別)をグラフで見ると以下のようになります。習慣的に喫煙している者は3割を超えていることが分かります。
※ちなみに、健康日本21(第二次)の目標値は、成人の喫煙率の減少の目標値は12%
3.禁煙意思の有無の状況
習慣的に喫煙しているもののうち、たばこをやめたいと思うものの割合は32.4%
男性:30.6% 女性:38.0%
4.受動喫煙の状況
受動喫煙の機会を場所別にみると「飲食店」が最も高く、次いで「路上」「遊技場」(いずれも3割を超える)となっています。
平成15年、20年、23年、25年、27年~30年の推移で見ると、「家庭」「職場」「学校」「飲食店」「遊技場」「行政機関」「医療機関」は有意に減少しています。
※ちなみに、「健康日本21(第二次)」の目標は、望まない受動喫煙のない社会の実現です。
今回は、「栄養・食生活に関する状況」「身体活動・運動及び睡眠に関する状況」「飲酒・喫煙に関する状況」を中心にご紹介いたしましたが、その他、「社会経済状況と生活習慣等に関する状況」「所得と生活習慣等に関する状況」についてもまとめられていますので、こちらについては下記リンク先をご覧いただければと思います。
参考:厚生労働省 平成30年国民健康・栄養調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000584138.pdf
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