【MFA健康コラムVol.33】吐き出すことで起こる変化 その1
新年度を迎え、新しい環境、新しい人間関係の中で、バランスを取りながら対処する必要に迫られる人も多い時期であろう。そんな今、「吐き出すこと」で起こる変化についてお届けする。
【吐き出すことで起こる変化】
何かの問題を抱えてる時や、頭の中がモヤモヤしている時に、皆さんならどう対処するだろうか。
実際に、この記事を読んでいる皆さんの中には、誰かに話をすることで、「なぜか、心が楽になった」という経験をしたことがある人もいることだろう。これは心理的に「カタルシス:浄化作用」が起こっている状態と言われる。問題が解決した訳ではないのに、なぜか心が楽になる。
昨今の世の中において、問題は山積みで、何から解決したら良いか分からないことも多いだろう。そして、解決に繋げられない問題も多いことだろう。
そのような状況であればこそ、問題に対する自分自身のスタンスを変えてみるきっかけとして、意識的に、自らが考えることを吐き出す機会を作ってほしい。
そして、心が軽い状態で、本当に「向き合うべき問題」に目を向けていくことが出来るのも吐き出すことで得られる効果の一つとなってくる。
【カラダへの変化も促す】
自分のことを吐き出す(開示する)ことで得られる効果は心だけではない。
ある実例がある。思い悩み、何から解決したら良いのか分からない状態にいる男性がいた。
彼は定期的にカウンセリングを日常的に受けていた訳であるが、カウンセリングを実施する中で、体への変化が生じたのである。カウンセリング初めは顔の表情が強張り、呼吸も荒く、肩に力が入っている状態であった。話をして、自らが思っていることを吐き出してもらうと共に、聴き手はあることに気付く。顔が適度に赤みを帯びてきて、肩の力が抜け呼吸もリズム良くゆっくりとしたペースになっていたのだ。ストレス状態を表す交感神経優位から、ストレスフリーの副交感神経優位に変わったかのように。最終的に問題事が解決した訳ではないが、その瞬間、確かに表情が変わったのである。
そのフラットな体と心で、本当に取り組むべきタスクに向き合っていったのである。
【アウトプットの頻度】
さて、この文章をお読みの方々は、普段からどれくらいのアウトプットをしているだろうか。
著書「アウトプット大全」の中で精神科医の樺沢先生は、「現実はアウトプットでしか変わらない」と本文で述べている。
また、樺沢先生の調査によると、約9割のビジネスマンは、インプット中心の学びや働き方をしているようだ。インプットが脳の中に情報を入れる、「入力」だとすると、脳の中に入ってきた情報を脳の中で処理し外界に「出力」することをアウトプット。具体的には「読む」「聞く」「見る」がインプットだとすると、「話す」「書く」「行動する」といったアウトプットとなるが、その頻度や機会がどれくらいあるだろうか。
アウトプットが大切だと分かっていても、自分を開示するにはハードルが高い。または、気軽にアウトプット出来る人が身近に居ても、時間やタイミングを逃してしまうことがある。そんな方も少なくはないだろう。
その一つの解決策として「ジャーナリング」がある。
書く瞑想とされるこのジャーナリングの特徴を知って、まずは自分自信をアウトプットするきっかけを掴んでみてはどうだろうか。
次回は「ジャーナリング」の効果についてみていく。
参考著書
「手で書くことが知性を引き出す」吉田 典生
「アウトプット大全」樺沢 紫苑
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