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【MFA健康コラムVol.21】日本人における緑茶・コーヒー摂取と全死亡および疾患別死亡リスクについて

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MFAオフィシャル健康コラム

【MFA健康コラムVol.21】日本人における緑茶・コーヒー摂取と全死亡および疾患別死亡リスクについて

以前のコラムでも多目的コホート研究についてご紹介いたしましたが、今回のコラムでは、国立がん研究センターの科学的根拠に基づく、がんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究より引用し、日本人になじみの深い「緑茶」と「コーヒー」について、これら飲料の摂取と全死亡及び疾患別死亡リスクについてご紹介いたします。

(引用:https://epi.ncc.go.jp/can_prev/index.html

 

■日本のコホート研究
・コホート研究とは
分析疫学における手法の1つで、研究対象の病気にかかっていない人を集め、長期に渡り、生活習慣などを調査・観察・追跡を続けることによって、病気の発生または予防に関係しているかを調査する観察的研究です。

 

『日本人における緑茶・コーヒー摂取と全死亡および疾患別死亡リスク』

「日本人における緑茶・コーヒー摂取と全死亡および疾患別死亡リスク」について、日本の8つのコホート研究(JCC:Japan cohort consortium)結果を統合し、まとめて結果を提示する「プール解析」を用いて行った研究をご紹介致します。

 

※プール解析は、複数の研究元のデータを集めて再解析する方法です。精度の良い量的な指標が得られることや症例数が足りないなど、充分な結果が得られないテーマについて、説得力のあるエビデンスを新たに作ることができる可能性があります。

 

●解析対象者:日本の8つのコホート研究(JPHC-IとJPHC-IIの多目的コホート研究、JACC研究、宮城県コホート研究、大崎国保コホート研究、三府県宮城コホート研究、三府県愛知コホート研究、三府県大阪コホート研究)における男性14万4,750人、女性16万8,631人
●平均追跡期間:17年間
●上記追跡期間中の死亡者:5万2,943人(内訳:がん1万9,495人、心疾患7,321人、脳血管疾患6,387人、呼吸器疾患3,490人、傷害・事故3,382人)

 

 

◇緑茶摂取による死亡全体のリスク低下を報告
日本人に馴染みの深いお茶には様々な種類がありますが、中でも緑茶は50%以上の成人が日常的に飲んでいます。緑茶摂取については、これまでに行われた研究の多くで緑茶摂取による死亡全体のリスク低下が報告されています。また、脳卒中などの心血管疾患死亡リスクについても同様の傾向を示しています。

 

◇緑茶摂取によるがん死亡リスクについて
がん死亡リスクについては、結果に一貫性がないなど、確かな結論に至っていませんでした。そのため「緑茶摂取による日本人の全死亡および疾患別死亡リスクへの影響」について、コホート研究のプール解析が行われました。

 

◇1日5杯程度の緑茶摂取で全死亡、心疾患死亡、脳血管疾患死亡リスクが減少
【男女共】緑茶を一日5杯以上摂取
・死亡全体のリスクが有意に低下する傾向が認められた
・心疾患及び脳血管疾患死亡のリスク低下が認められた

 

【女性のみ】
・1日1-2杯、3-4杯のカテゴリーでがんによる死亡リスクが有意に低下
・1日5杯以上のカテゴリーで呼吸器疾患死亡リスクが有意に低下する傾向が認められた

 

上記結果から、日本人のように緑茶を多く摂取することで、心疾患や脳血管疾患の死亡リスクの低下に繋がっているのではないかと考えられています。

(引用・参考:https://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/8445.html

 

 

 

◇コーヒー摂取による死亡リスクについて
コーヒーの摂取は、世界的にみても増加傾向にあります。日本においてもコーヒーは50%以上の人が摂取習慣があるとされています。コーヒーの摂取はがん、心疾患、呼吸器疾患などを予防することが示唆されていますが、確かな結論に至っていないため、「コーヒー摂取による日本人の全死亡および疾患別死亡リスクの影響」について、コホート研究のプール解析が行われました。

 

 

◇1日5杯未満の摂取で死亡リスクが減少
【男女共】
・1日5杯未満の摂取によって、死亡全体のリスクが有意に低下
・1日5杯以上ではその関係性が弱くなっている
※がん以外の死因において、負の関連が認められた

 

【女性】
・1日1-2杯のカテゴリーで心疾患による死亡リスクが低下
・1日に5杯以上の摂取ではリスクが増加

 

上記結果から、男女共にコーヒー摂取とがん死亡リスクとの間には関連性が認められませんでした。

1日5杯以下の摂取であれば、日本人の主要な死因による死亡リスクの低下に繋がっているのではと考えられています。
(引用・参考:https://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/8446.html

 

 

◇緑茶・コーヒー摂取と肝がんリスク
これまでの疫学研究の結果から、緑茶・コーヒーは日本において広く飲まれており、摂取によってがんのリスクが低下するという報告がなされていますが、世界がん研究基金による最新のレポートでは、コーヒーの高摂取はほぼ確実に肝がんを予防すると結論づけられています。

 

>>コーヒー・緑茶と肝がんリスクに関する疫学研究の系統的レビューによるエビデンス評価についてはこちらのページをご参照下さい。
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/8446.html

 

このように日本のコホート研究では、長期にわたり様々な研究が行われ、その報告が随時HPへアップされています。しかしながら、まだ研究結果の蓄積が必要なものも少なくありません。今後の研究結果に期待したいと思います。

 

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