【MFA健康コラムVol.4】これからの健康を考えた「喫煙」について
【MFA健康コラムVol.4】
これからの健康を考えた「喫煙」について
-健康日本21(第二次)5年の成果とこれからの取り組み-
健康コラムの第一回よりシリーズでお伝えしております、健康日本21(第二次)
(全ての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を目指し、
生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善について、掲げた目標)
今回は、健康日本21(第二次)開始から5年間の「喫煙」に関する目標達成の状況と、
今後必要となる対策についてお伝えして参ります。
■喫煙のリスク
日本では、能動喫煙で年間約13万人、受動喫煙で年間1万5000人が死亡していると推定されています。
喫煙のリスクは、多くのがんを始め、脳卒中、虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患、
2型糖尿病、歯周病など、様々な病気のリスク要因となっています。
また、脳卒中や認知症、骨粗しょう症のリスクが高まることによって、要介護のリスクも高まります。
このような状況から、健康寿命の延伸を目指す健康日本21(第二次)において、
重要なテーマであり、喫煙に関する対策が求められています。
【5年の成果とこれからの取り組み】
■成人・未成年者・妊婦の喫煙率、受動喫煙防止に関わる数値目標と5年間の達成状況
健康日本21(第一次)計画で設定された未成年者の喫煙率の目標に加え、
健康日本21(第二次)では、成人喫煙率、妊婦の喫煙率、受動喫煙防止に関わる数値目標が
それぞれ設定されました。
ここでは項目ごとに数値目標と達成状況を見ていきましょう。
(1)成人
成人の喫煙率の低下は、喫煙による健康被害を確実に減少させる事につながります。
【喫煙率の目標】
●男女計:19.5%を2022年度までに12%にする。
【達成状況】
策定時(19.5%)より横ばいで推移。2015年から減少傾向に。
しかし、策定時から直近の2016年までに1.2%しか減少していないため、
目標値(12%)には厳しい状況です。
(2)未成年者
短期間の喫煙による健康被害の減少には繋がりませんが、中・長期的に見て、
指標を含めておく意義があります。
【喫煙率の目標】
2022年までに未成年者の喫煙をなくす。
【達成状況】
中学1年・高校3年の喫煙率は、策定後男女ともに減少傾向のため、目標達成が見込まれます。
(3)妊婦
【喫煙率の目標】
胎児、出生時への影響を考慮して、2014年までに妊婦の喫煙をなくすという目標値が設定されました。
【達成状況】
策定時(5.0%)と比べて、2013年では3.8%まで減少しているものの、
このままでは目標値の達成は厳しい状況です。
(図1参照)
(図1)喫煙率に関する目標の達成状況
(出展)健康日本21(第二次)-5年の成果とこれからの取り組み- 参考文献3)より
(4)受動喫煙
【達成状況】
・2022年までに行政機関と医療機関で受動喫煙をなくす。
・家庭での受動喫煙を3%まで減少
・飲食店での受動喫煙を15%まで減少
・職場での受動喫煙を無くす(2020年までに受動喫煙のない職場づくりの実現)
【達成状況】
設定された各指標は、いずれも改善傾向にあるものの、目標値の達成には不十分な状況です。
(図2参照)
(図2)受動喫煙に関する目標の達成状況
(出展)健康日本21(第二次)-5年の成果とこれからの取り組み- 参考文献3)より
■(1)~(4)の5年後の目標達成に向けて
上記(1)~(4)の各目標は改善傾向にあるものの、
未成年者の喫煙率を除く3つについては、改善が十分ではないため、目標達成が厳しい状況にあります。
目標を達成するためには、WHOの「たばこ規制枠組条約」に基づき、
たばこ税やたばこの価格の引き上げ、受動喫煙防止の法規制強化、警告表示の強化、
メディアキャンペーンの実施、広告などの禁止、禁煙支援・治療の充実と普及などの政策を組み合わせて
強力に進めることが必要と考えられます。
■受動喫煙対策について
・2018年7月に受動喫煙を強化する改正健康増進法が成立
・学校、病院、行政機関等の公共性が高い施設や、職場においても禁煙化等の対策が進む見込み
・小規模飲食店への例外規定(55%が該当)については、
東京都のように従業員雇用による例外として認めない条例を規定として法律と組み合わせる事により、
例外規定の対象となる飲食店を16%減らす事が可能。
■今後の取り組み
今後は、たばこ対策の強化を全般的に行い、禁煙施行者を増やすために、
より確実な禁煙方法を選択し、成功しやすい環境整備も必要と考えられます。
さらに、自治体、保険者、医師会や健診機関、遠隔診療(オンライン診療)、
禁煙電話相談(クイットライン)を活用して、
医療や健診などの場で禁煙を推進する仕組みの構築も必要となります。
■今後の課題について
喫煙率や受動喫煙の実態には、社会経済状況(所得等)の違いによる格差がある事が解っています。
その為、健康格差是正の観点から対策が必要となり、
大幅なたばこ税の引き上げなど、喫煙率の格差是正に効果的な方法等の開発が望まれます。
日本におけるたばこ対策が国際的に遅れている理由として、たばこ税による財政収入の安定的確保や、
たばこ事業法の存在があります。
国民の健康を守る観点から、たばこ税の引き上げを実施しようとしても、
税収の大幅な落ち込みを理由に実施が難しいというのが現実です。
今後は、たばこ規制枠組条約の締結国として、たばこによる健康被害を減らすために、
同条約と目的が大きく矛盾しているたばこ事業法の改廃が必要と考えられます。
☆2019年「健康づくり」について考えてみませんか。
ジョギングやウォーキングなどの軽い運動は有酸素運動になります。
この有酸素運動を3ヶ月間続けると、記憶をつかさどる海馬の血流量の増加に伴って、
短期記憶が改善し、脳内の神経栄養因子が増加し、神経が新生することが報告されています。
(前回特別コラムより)
今年は何か運動を始めてみようかな?と思われている方は、
ジョギングやウォーキングなどを始めてみてはいかがでしょうか。
正しい歩き方や姿勢については、
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●基礎実技:3時間
【基礎実技】3時間
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メディカル・フィットネス協会は、
健康測定などの医学的及び体力的資料に基づく適切な身体活動を通した健康づくりに関する事業
(メディカル・フィットネス)の活動をもって生活習慣病の予防と健康管理増進を図り、
QOL(生活の質)の向上に寄与する事を目的としています。
一般社団法人 メディカル・フィットネス協会
〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原1-2-9
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